MENU

リーダーシップの最適な形とは?|ボトムアップ vs トップダウンの効果的な使い分け

現代のビジネス環境において、リーダーシップの形は多様化しています。
しかし、常に正しいリーダーシップを発揮することは容易ではありません。

ボトムアップとトップダウンのマネジメント手法は、それぞれ異なる特性と利点を持ちます。
本記事では、両者の違いや効果的な使い分けについて解説します。
あなたのリーダーシップスタイルを見直し、チームのパフォーマンスを最大化するための実践的な内容です。

目次

チームを成功に導く意思決定:リーダーの役割と責任

日本企業の特徴として「上意下達のパワーマネジメント」が良くないと言われてきました。
しかし、最近は「部下に聞いてみます」と民主的な体制を好むマネジャーも増えています。

部下の意見を聞くこと自体は大切なことですが、なんでもかんでもボトムアップでは、マネジャーはリーダーシップが発揮できず、チームのパフォーマンスは低下してしまいます。

多様な意見を尊重することが仕事ではなく、多様な意見がある中で、目指す目標・方向にチームを向かわせるのがマネジャーの仕事です。

「みんなの意見は聞くが、最終的な意思決定はリーダーが独断で行う」のが正しい姿です。

民主的なマネジメントの弊害

マネジメントが民主的すぎる場合、下記のような弊害が生まれます。

間違った意思決定につながる

仕事の能力や、モチベーションが異なるメンバーで議論した場合、さまざまな意見が出てくるのは当然です。
これを皆の議論の中で着地させると、それなりの形には落ち着きます。

しかし、最も状況を理解し、先を読み、成果に繋げることができる判断能力を有しているのは、部下ではなく、リーダーであるマネジャーです。
民主的な話し合いで出た結果が、リーダーの意思決定より優れているわけではありません。

リーダーがすべきことは、部下の意見を聞いた上で自らが決断し、その決定に納得・行動してもらえるように、部下と丁寧なコミュニケーションを取ることです。

コミュニケーションコストが増える

民主的に決めようとすると、議論が増えていくので、チーム内でのコミュニケーションコストが膨大になります。
仕事のスピードを落とすことに繋がり、業務量や時間的拘束を増やします。

頼りないリーダーと見られる

チームの目標を定める能力がメンバーにないことは普通であり、マネジャーがチームレベルの意思決定をチームに任せた場合、無責任、頼りないと思われてしまいます。

任せて良いのは具体的な仕事であって、責任ではありません。

任せた業務における意思決定を任せるのは権限委譲として適切ですが、本来マネジャーの責任であるレベルの意思決定を民主的なプロセスに委ねてはいけません。

ボトムアップとトップダウンの使い分け

では、ボトムアップが有効な場面はどういった場合でしょうか?

トップダウン(リーダーが決める)

方針、目標、目的、価値観、評価基準

ボトムアップ(メンバーが考える)

具体的なやり方、進め方、目標の実現方法

チームが目指すこと、そのためにやるべきことをリーダーがトップダウンで決めるからこそ、メンバーのボトムアップを効果的に引き出すことができます。

本来トップダウンで決めることまでメンバーに決めさせてしまうと、チームの方向性は定まらず、パフォーマンスは上がりません。

次のリーダー育成の観点から、部下に任せたいタイミングが出てくることもあるかと思いますが、「やるべきことはトップダウン、やり方はボトムアップ」を基本に、マネジメントしていくのが適切です。

リーダーが絶対に自分で決めるべきこと|JALの再生事例

2010年1月の経営破綻から見事復活した日本航空(JAL)。
そのJALの再生において、京セラ創業者の稲盛和夫氏がリードしたことは広く知られています。

企業再生のさまざまな改革を行なう中で、稲盛氏がまず取り掛かったのが「JALフィロソフィー」と呼ばれるJALの社員に求める行動指針、行動哲学の作成です。
今では、リーダーの行動、現場サービスに至るまで、JALにおける意思決定や従業員の判断のベースとなっています。

HPにも公開されているJALフィロソフィーには、特に目新しいものは見られません。
それでもトップが指針を明確に示したことで、経営破綻という苦境の中にあっても、社員はJALフィロソフィーに基づいて考え、行動するようになり、JALの収益性やサービスレベルは大幅に向上し、見事V字回復を果たしました。

「何をすべきなのか」「どうしてやらなければならないのか」「やりきった先に何があるのか」といったリーダーが決めるべき意思決定を、部下に任せてはいけません。
絶対にリーダーが決める必要があります。

リーダーが決めるべきことを判断するからこそ、ボトムアップが有効に機能し、部下の意見や主体性をより引き出すことができるのです。

強いチームをつくるには、トップダウン、ボトムアップ両方のマネジメントが欠かせません。


いかがでしたでしょうか?
トップダウンとボトムアップの各アプローチにはそれぞれの利点と欠点があり、状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
それぞれの強みと必要となる場面を理解し、リーダーとして適切な意思決定を行いましょう。

よかったらシェアしてね!
目次